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自立への力を育てながら、成人期への準備を
時期ごとの特徴と関わり方について、
たくさんの実例を紹介。

2000円+税/A5判・192頁
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著者は、臨床心理士として46年間、医療と福祉の世界で、
自閉症の人とご家族に関わってきました。
そして、一人ひとりの成長を長く見守り続けることを大事にしてきました。

「自閉症の人への療育や教育は、“問題行動”をなくすことではなく、
自閉症の人のさまざまな能力を引き出して、生活の中で使えるように導いていくことです。
その力は将来の自立の財産になります。
幼児期から、自立への力を育てながら、成人期にむけての準備を始めましょう」

この本では、幼児期・学齢期・思春期・青年期・成人期と、
その時期の特徴と関わり方について、たくさんの実例を紹介しながら具体的に説明していきます。

篁 一誠

 

               

篁 一誠 (たかむら いっせい)

現職
NPO法人 PDDサポートセンター グリーンフォーレスト 理事長
学歴
1967年 早稲田大学第一文学部哲学科 心理学専攻 卒業
1969年 早稲田大学大学院文学研究科 心理学専攻 修士課程修了
職歴
1967年 財団法人 精神医学研究所 心理学研究室
1975年 東海大学医学部 付属病院精神科心理室
1997年 社会福祉法人 横浜やまびこの里 東やまた工房
2002年 よこはま・自閉症支援室(社会福祉法人横浜やまびこの里)
2008年 現職

序章 自閉症の人たちに学びながら

1章  自閉症の人は、どんな人たちか

   1 こんな生き方をしている
     人に頼らないで生きる
     自分の感性に正直で律義
     なぜそういう行動をするのか、考える

   2 〈自閉症の特性〉を見直す
     生理的な特徴に気づいてあげたい
     あまり病気にならない、ケガも少ない
     本当に理解するための関わりを
     自閉症の人の言葉と私たちの関わり方

   3 関わるときは、こんなことを大事に
     〈いいところを見つけて伸ばす〉が基本
     言葉かけはこんなふうに
     たくさん褒めて、自信や意欲を育てる
     しっかり観察して、正確に記録をとる

2章  幼児期の特徴と関わり方

   1 幼児期には、どんなことがあるか
     この時期の3つの特徴
     言葉はどんなふうに変化するか

   2 幼幼児期には、こんな関わり方を
     言葉のかけ方を変えましょう
     距離感をはかりながら関わる
     予定変更をどう伝えればいいか

   3 家庭での学習をどう進めるか
     人から教わる気持ちを育てる
     家庭で学習するときのヒント

3章  学齢期の特徴と関わり方

   1 学齢期には、どんなことがあるか
     生活圏が家庭・学校・地域と広がる
     自己主張をうまく言葉で表現できない
     感情表現の仕方が変わってくる

   2 学齢期には、こんな関わり方を
     受け入れてくれるまで働きかけ続ける
     学んだことを生活の中で使えるように
     褒めるとは、認め、励ますこと
     叱るのではなく、こんなふうに

 

         

 

4章  思春期の特徴と関わり方

   1 思春期には、どんなことがあるか
     体と心のバランスが変わってくる
   自己主張があらわれてくる

   2 家事のできる人になりましょう
     家事のやり方を一つひとつ教える
     家事から広がっていくこと
     将来社会に出て働くときの力に

   3 思春期には、こんな関わり方を
     排泄、入浴、就寝が自分でできるように
     最後までやり通す力を育てる
     興味や関心を広げていくには
     働きに対して報酬を支払う
     社会の中で居場所を広げるために

5章  青年期の特徴と関わり方

   1 青年期には、どんなことがあるか
     2つのタイプに分かれていく
     自分で行動できる範囲を広げていく
     コミュニケーションの可能性を広げる
     感情を自分でコントロールできるように

   2 青年期には、こんな関わり方を
     学校生活から社会生活へ切り換え
     就労に向けて準備を始める
     失敗しても修復できる力を
     仕事が充実してこそ余暇も充実する
     仕事に必要な力を育てる

6章  成人期の特徴と関わり方

   1 生活スタイル──3つのタイプ
     積極的で自立した生活をしている人たち
     消極的だけど安定して暮らしている人たち
     不安定で医療的支援が必要な人たち

   2 この差はなぜ出てくるのか
     療育・教育・支援に問題があったのでは
     意欲をどうやって引き出すか
     気になるいくつかのこと

   3 成人期には、こんな関わり方を
     人を意識し、人から教わる
     感覚の過敏さをどう乗り越えるか
     自立を考えた関わり方

   4 30歳からの再チャレンジ
     自立とは一人で生きることではない
     一人の人として生活していく挑戦を

終章 人生の伴走者として走り続ける

 

        

自閉症の人の人間力を育てる