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知的障害者の弟をもつ著者がきょうだいの立場から伝える

2000円+税 / A5判・200頁
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家族による障害者殺しの最大の背景要因には、障害者の暮らしの場が圧倒的に少ない現実がある。障害者が、自立して安心して地域で暮らすためには…知的障害のある人を中心に、200以上の実例から現実を探り、根っこの問題をあきらかにする。


著 者
山下 幹雄 (やました みきお)
1946年、京都市生まれ。1970年、京都大学大学院修士課程を修了。(1976年工学博士)。1970年、通産省電子技術総合研究所に勤務。1991年〜2011年、北海道大学工学部に教授として勤務。現在、 北海道大学名誉教授、公立千歳科学技術大学客員教授、京都光技術研究会会長。知的障害の弟を持ち、大学生の頃から、きょうだいとして障害者福祉の活動にかかわる。現在、実家をシェアハウスに改装し、経済支援と地域交流福祉活性のための場として開放している。2017年、「一般社団法人ちいきの広場光」設立。

 


はじめに
第1部 現代の家族による障害者殺しと隔離・監禁・苦悩
第2部 「ふつうに生きたいんや」― 障害者の居住場の現実 ―
第3部 「わからへん」― 障害者の意思決定支援 ―
第4部 「ここをこうしてほしいんや」― 公的支援の実現ときょうだいの役割 ―
終章 三面体多層連携構造の共生地域社会を構築するために
付録・排除の論理 VS 共生の論理

はじめに
第1部 現代の家族による障害者殺しと隔離・監禁・苦悩
第1章 家族による障害者殺しの実例とその要因 〜知的障害のある人を中心に〜 
序 節 家族による障害者殺し
第1節 在宅生活環境下別の障害者殺し・隔離・監禁・苦悩の実例
第2節 家族による障害者殺しにおける要点整理
第3節 家族による障害者殺しの明らかになった直接的要因

第2部 「ふつうに生きたいんや」 ― 障害者の居住場の現実 ―

第2章 障害者の暮らしの現実の一端 〜知的障害のある人を中心に〜
序 節 障害者の思いを求めて― 自立と支援の建設的関係づくりの始まりを ―
第1節 知的障害者をはじめ社会的弱者の“自立”以前の現実の一端
第2節 知的障害者の自立の始まりのために必要な支援とは何か

第3章 障害者の居住場の模索 〜知的障害のある人を中心に〜
序 節 当事者が安心して意思決定できる住まいの場づくりに必要な“前提基盤”
第1節 私の弟の居住場の模索のステップからわかる様々な“実態”と“支援の壁”
第2節 当事者と家族、支援者が参加するチームによる居住場探しの実例
第3節 多数支援付き一人住まいの実例― JCILの活動から ―
第4節 居住場探しから明らかとなった支援の課題― チームづくりを土台に ―

第3部 「わからへん」 ― 障害者の意思決定支援 ―
第4章 障害者の意思決定支援―意思決定の入口の支援― 〜知的障害のある人を中心に〜
序 節 日常生活における「意思決定支援」のプロセス ………… 80
第1節 “知的よりそい支援(how)”と「自己決定したい」を可能にする“知的支援(what)”
第2節 自己表現の仕方による実例と意思決定支援
第5章 障害者のオーダーメイド個別支援―当事者をどう受けとめどう支援していくか― 〜知的障害のある人を中心に〜
第1節 当事者の“what”(何)を受けとめ、共有するオーダーメイド個別支援
第2節 パニック・トラウマに対処するオーダーメイド個別支援
第3節 つながりをつくるためのオーダーメイド個別支援
第4節 障害者の人権問題に対するオーダーメイド個別支援

第4部 「ここをこうしてほしいんや」― 公的支援の実現ときょうだいの役割 ―
第6章 公的支援の欠如と問題の解決 〜知的障害のある人を中心に〜
序 節 成人障害者の人権を保障するためにするべき必要な公的施策
第1節 必要な当事者全てに地域で安心して自由に暮らせる住まいの保障を
第2節 必要な当事者全てに能動的な在宅訪問による相談支援、介護の保障を
第3節 必要な当事者全てに住まいの保障と相談支援の実現のために

第7章 きょうだいが当事者にできる支援 〜知的障害のある人を中心に〜
第1節 きょうだいと当事者との関係
第2節 きょうだいの当事者への役割
第3節 −私の場合−つながりを生む場をつくるささやかな地域活動の積み重ね
終 章 三面体多層連携構造の共生地域社会を構築するために
付録・排除の論理 VS 共生の論理
参考文献