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障害への理解を深めたい
エッセイ「いっぽいっぽ〜ダウン症の娘と共に」を出版する
幸田 啓子さん
相模が丘在住

 ○…「障害がある人はどんなことを感じているか知ってほしい」−。ダウン症の娘との生活をつづったエッセイをぶどう社から出版する。また、知的障害・発達障害への理解を深める活動をする団体「座間キャラバン隊」で、7年間にわたり約2万人の前で公演をしてきた。現在はダウン症児親の会「いっぽいっぽクラブ」代表を務め、「NPO法人座間市手をつなぐ育成会」では副理事長として活動する。知的障害への理解の輪を広げるために、忙しくも充実した日々を過ごす。
 ○…「座間キャラバン隊」を立ち上げたきっかけは、当時小学校6年生の長男の一言だった。「自閉症の同級生をばかにする友人に、その子がなぜそうなのかを説明できなくて悔しかった」。障害について知らないことがさまざまな偏見や誤解を生んでいる状況に、「話せばきっと分かってくれる」と、障害児を持つ親達と共に長男の学校で障害について話をした。これをきっかけに公演依頼を受けるようになり、現在では全国を飛び回る。
 ○…現在、高校3年になる長男、小学校6年の長女、夫の4人家族。常に家族の中心には長女がいる。「家族のムードメーカーはいつも娘。家の中が明るくなる」と話す。また、2人の子どもを見ていて感じることがあるという。「娘は学校から配られたプリントをしっかり渡してくれるけど、長男はかばんの奥にグシャグシャで…障害なんて関係ないなって。これはうちだけじゃないだろうけど」と、母親としての苦労を苦笑い。
 ○…キャラバン隊のテーマは「みんなちがって、みんないい」。障害があるからできないと決めつけるのではなく、それぞれの個性を見てほしいと呼びかける。障害に対する理解を深める活動の先には、1つの目標がある。「得意分野を生かして働き、報酬を得て、納税すること。その仕組みを作りたい」。障害者が自立して暮らせる社会を目指して走り続ける。

http://www.townnews.co.jp/020area_page/02_fri/11_zama/2009_3/08_07/zama_jin.html